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思考

ニルヴァーナで会おう

 社会を、正しく知覚しようとすれば、するほど、訳が分からなくなる。外で、けたたましいサイレンが、響く。部屋の中で、瞑想するみたいに、天井のシミを眺めていた。どうして、僕は、いま、ここにいることを許されているんだろう。あるいは、許しを得た命というものに、どれだけの価値が、あるんだろう。たぶん、今日も、どこかで、誰にも届かない声を押し殺して、耐え忍びながら、日々を送る人間が、たくさんいる。そこに、フォーカスしない言論は、嫌いだ。

      ★     ★     ★

・金と権力
 富が、十分に行き渡っていない場所がある。困窮している者は、何を手にしたいと、思っているんだろう。もし、そのすべてが金と、権力だと決めつけるなら、たぶん、あなたは、この世界のことを、誤解している。黒人が、権威をもつことは、間違っている。同性愛者の、人権なんて、どうでもいい。障がい者が、選択できる人生は、たかが、知れている。標準からずれる人間は、無価値に等しい。それが、社会を窮屈にしていく。だから、僕は、はっきりと言う。欲しいのは、名誉じゃなく、不平等が、既に存在していることを認識する知性だ。

・世界は、すでに救済されているのか
 この一瞬が、気持ちよければ、それで良い。これまでの歩みや、過去に縛られるのなんて、まっぴらごめんだ。韓国との歴史問題、そんなの、知ったこっちゃじゃない。そう考えると、ある意味、生きやすい。だって、全体を見渡すことをしないから、自分が搾取されていても、気付かない。救済を求める声が、かき消されていく。だけど、いったん、立ち止まる。「普通である」ということが、一番いいとする風潮。必死になって、規範を守り、他の人と同じでなければいけないプレッシャーに苦しむ。そんな、生き方を、ぶっ壊してく。それこそが、ここで発信しなければいけないことだと思っている。

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 「世界」という言葉が、含有する意味って、なんなんだろう。遠い異国のことかもしれない。あるいは、宇宙のことかもしれない。でも、まちがいなく、その中心にいるのは、自分という存在だ。僕が、ここで、噛みしめている命は、いつか、尽きていく。多種多様な欲望も、憧れも、理性も、なにごともなく、消え去っていく。だから、もし、永遠を手に入れることができなくても、ニルヴァーナ(死後の世界)で、お会いしましょう。きっと、それが、生きていくことの、醍醐味だと思うから。

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心情

それでも祈る

お風呂あがりの、僕は、上機嫌だった。
銭湯の脱衣所で、大雨の災害のニュースに、目をやる。
今、ここに流れている時間は、フェイクのように、空虚であることを認めざるをえない。

今日、失われた命と、まるで無造作に、生き延びた、魂。
その両面を含めて、ひとつの世界なんだと、あなたは、諭す。
でも、そんな、うわっつらな解釈なんて、いらない。

この先の、延長上に、たぶん、「死」がある。
その時は、苦しいかもしれないし、痛いかもしれない。
いっそのこと、安らかに殺してくれという、傲慢な願望を、焼き尽くせ。

人の命について、語れるほど、賢くはない。
だけど、せめて、慰めの言葉を紡ぎたい。
その行為が、意味なんてないと、批判されても。
#被害が最小限で済みますように

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心情

ときには、戦うことも必要なのかもしれない

自分が、どうありたいか。
なにに心を奪われて、だれと生きていくのか。
たぶん、それは、時間とともに変化していく。

「これからの日本は、こうなっていきます。」
そんな話が、できたら、かっこいいかもしれない。
だけど、わりと知られていないけど、未来を予測できる人間は、いない。

発達するAI、増加していく外国人労働者、腐りきった政治。
「危機感」という、安易な言葉では、説明できない不安が、増大していく。
変わらない町並みと、いつもあくびばかりしている友だちの姿が、尊い。

ここにある、幸福を感じる瞬間だけを、大切にしよう。
どんなに、馬鹿にされようと構わない。
それを、奪おうとするなら、強い悪意をもって、僕は戦う。

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映画レビュー

045 「 BOYS ボーイズ」(2020)

<基本情報>
もともとは、テレビ映画だったものが、大きな反響を受け、オランダで、2014年に、劇場公開にいたる。
第33回オランダ映画祭で、批評家賞など、2部門で受賞。
日本では、名作を発掘するフェスティバル「のむコレ3」で、上映された。

 相手に、好意を抱いていることに、気付く瞬間がある。恋とか、愛とか、あるいは、べつの呼び名なのかもしれない。その感情から、目を背けようにも、徒労に終わる。確実に、大人になっていく身体に、心は追いつかない。アンバランスな状態を保ちながら、必死で、前に進もうとする、彼らの姿は、思いのほか、眩しい。同性愛とか、ゲイとか、セクシュアリティーとか、それらの言葉から、わき起こる想像に、目を向けて欲しい。それが、拒絶だったり、嫌悪だったりとしても。この世界に存在する、人を想う、多様な形を、尊重できるように。

 主人公・シーヘル(ヘイス・ブローム)の家族が、織りなす生活は、物語に、アクセントを加える。兄のエディ(ジョナス・スムルデルス)は、不良っぽいところがある。思春期のころの、既存の枠組みを壊して、悪さをしてみたい衝動。ルールをただ、遵守することだけでは、味わえない感覚。そのせいで、父との、関係は、良好ではない。親子だから、うまくいくこと、そうじゃないことがある。それでも、うまくやっていこうと努める、懐の深い、父親の背中は、大きかった。

 80分の尺は、そう長くはない。だけど、そのなかに詰め込まれている、緊張や、感動は、まるで、永遠のようだ。画面ごしに流れる音楽、気の利いたカット割り、俳優らの瑞々しい演技。どの要素も、欠けてしまってはいけない、映画の一部分になる。これは、いわゆる、シーヘルとマーク(コ・サンドフリット)の、少年同士のラブストーリーだ。かと言って、その一言で、終わらせたくない。自分の気持ちを、押さえ込んでいたことを、認識し始め、本当に大切にしなければいけないことを、明確にしていく。人生における、大きな意味について、疾走感をもって、描き出していくさまは、たくさんのドラマで溢れている。

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心情

お金と僕

全ての価値は、数字で、置き換えられるとしたら、虚しい。
気付いたら、値札のついた商品に、囲まれていた。
べつに、欲しくもないのに、それは、偉そうな顔をしている。

お金は、僕にとって、どんな意味をもつのか。
たぶん、社会参加のための入場券だと、思う。
貨幣をもたない者は、社会から排除される仕組み。

金を払えば、人を雇える。
みんなが、疑わない、そのルールは、いつから、できたんだろう。
経済が、世界を支配していく。

お金で、幸せを買えるならば、いっそのこと、楽なのかもしれない。
大勢が、無価値であると思うことに、大金をつぎ込むやつが、いる。
そういう世界が、好きだ。
画一化されない、今を求めて。

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社会の出来事

殺伐とした空気のなかで

 いろんな思想を持った人が、いる。SNSから流れてくる情報を、飲み込むまで、時間がかかる。心にモヤモヤが、溜まっていく。世界には、自分と似たような人間だけが、暮らしているわけではない。それぞれの主張に、目を通すことで、精一杯になる。だけど、もし、そこから、自分なりの考えを抽出できたらと思いながら、文章を書きたい。

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・「BlackLivesMatter」について
 子どものときは、分からないだろう。自分が生まれた属性と、一生向き合っていかなければならないことを。肌の色が違うだけで、不当に扱われる。どんなに、あなたが、誠実であり、なんの落度もないことを証明しても、聞く耳を持たれない。抑圧される側の、声を、届ける手段を、僕らは、探し続けている。
 教育という名の下で、歴史に触れる。人間は、絶えず、権力を欲し、人を蔑み、殺しあってきた。その過ちについて、学ぶことに、ほとんどの意味が、含まれている。だけど、やむを得ず、暴力にうってでなければならなかった、差別される側の、行為について、注視することができなかった。どんな種類の暴動も、略奪も、内乱も、ひとつのまとまりとして、捉えていたからかもしれない。もし、他者の痛みを、分かち合えるのであれば、僕は、必ず、彼らの声に、耳を傾ける。

・一歩踏み込む 
 「差別を、してはいけません。」と言う人たちにたいして、無関心でいる。はいはい、あなたはいい人ですねと、受け流す。はたして、それは、本当に興味がないだけなのか。いま、差別されている人たちが、声をあげることによって、現状維持が、阻まれる。それに、恐怖しているのが、僕らの本音だとしたら。それに、気付くことが、面倒だから、遠ざける。べつに、今私が、困っているわけじゃないし。
 だけど、一歩、踏み込むことが、必要でなはないか。黒人であることを理由に、被害をうける。性的マイノリティーであることを隠して、生活しなければならない。障がい者は、身の程をしるべきだ。あなたは、いつも、批判をする立場だったかもしれない。だけど、今、世界中で、起きていることは、何も間違ったことはしていないと、信じているあなたに、向けられて、発せられてる言葉だと、思って欲しい。自分のなかの誤った考えを、改めていく。価値観を、アップデートしていく。そうやって、僕らは、知を愛してきたのだから。

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 なぜ、いま殺伐とした空気に、包まれているのか。どこの組織にも属さない人間を、どう扱えばいいのか、社会は戸惑っている。名もなき人の声にたいして、どうせそんなものは、だれも相手にしない。そう、権力者は、考えているだろう。そうやって、民衆の意見を、蔑ろにしていく。その事態を、回避するために、僕は、ここから、発信していく。

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思考

生きる理由

 有限の命。死を予感した瞬間。今を生きる理由を探すけど、みつからない。僕にも、ちゃんと最後が来るとおもうと、安心する。狂気に満ちた空気に、おかされていく。道ゆく人は、みんな、なにも疑わずに、ただ、明日を見つめていた。社会の付属物かであるように、従順に、事をこなしてゆく。普通のように、振る舞えない自分は、たぶん、痛々しい。

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・線引きという暴力
 今の立ち位置は、どうやって確立されたのか。僕は、とくに努力した覚えはない。だけど、食うことに困らず、住む家もある。だけど、世界は、そんな人ばかりじゃない。十分に栄養をとれない子ども。路上で暮らすホームレス。空爆に怯える民衆。激動していく社会に取り残されたように、ただ、我慢を強いられる。
 例えば彼らを弱者と、呼ぶ。そうやって、線引きをしたとき、ちっぽけな僕は、突如として、強者になる。こっち側と、あっち側。その境界は、いつからでき、何を基準に、人間を分断しているのか。貧困に陥るのは、努力が足りないからだという言説は、嫌いだ。自分の能力が高いから、それだけの見返りは当然である。だけど、あなたは、ただ、環境に恵まれていただけなのかもしれない。

・虐げられし者の声
 老後のために、蓄える。いざ、困ったときに、準備をする。そうしないやつは、そこらへんで、野垂れ死ねばいい。そんな世の中は、はたして成熟した社会と言えるのか。何者もなれなかった、何のとりえもない、どこにでもいる人間が、誰にも迫られることなく、死ぬまで、豊かに生きることができる。そんな世界が、好きだ。
 みんな、どこかしらは、不完全なはずである。それが、生きていくのに、致命的だったり、案外そうでない人もいる。いかに、抑圧される側の声を、表出させるか。その声が、うねりをあげたとき、社会という怪物に、抵抗できる。

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 結局、僕がここで、言いたいことは、社会は、いくつもの階級に分かれていて、そこで暮らす人間は、けっして全員が、幸せじゃないということだと思う。じゃあ、どうしたら、良くなるのかを、問い続ける。それが、生きる理由になる。

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心情

メッセージ

ちやほやされたい。
バズりたい。
たくさん、いいねがほしい。

インターネットが普及して、くだらない願望に、振り回される。
個人が、発信できる歓び。
僕は、なにを、伝えて、誰と、つながりたいんだろう。

若いころから、活躍して、名を知られる。
それに比べて、自分は、なんとも、みっともないんだろう。
何かを成し遂げなければ、どんどん隅に追いやられる、感覚。

べつに、有名にならなくても、幸せでいられる。
テレビに、うつることが、すべてじゃない。
むしろ、そこじゃないところに、真実がある。

なにも起きなかった、平坦な一日に、祝福をあげよう。
あなたからの、何気ない一言に救われる。
そういう言葉を、ここから、届けたい。
弱っている心に、静かにしみ込む、メッセージを。

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映画レビュー

044 「his」(2020)

<基本情報>
2019年にドラマで放映され、話題を呼んだ。
今作は、その出会いから、13年後を描く。
俊英の宮沢氷魚が、初主演をかざる。
Sano ibukiの「マリアロード」を、主題歌に、起用。
監督は、「愛がなんだ」の、今泉力哉が務める。

 変わりつつある、家族のかたち。ペットだって、大事な家族の一員になる。そんな時代に、同性同士のカップルが、子どもを育てるなんて、珍しくない。はたして、本当にそうだろうか。現実に、立ちはだかる壁は、そう低くはない。伝統的な価値観を、守ろうとする。知らずのうちに、自分のなかにある、偏見や差別。それを、乗り越えて、違いを認めていく勇気が、僕らには、あるんだろうか。揺れ動く社会のなかで、自分の居場所さえ、ままならない。

 結婚という制度によって、得ることのできる権利。それを、自覚している人が、いったい、どれくらいいるんだろう。愛し合った者同士が、一緒に暮らすことさえ、ままならない時が、ある。法律は、いつも平等を約束してくれるとは、限らない。享受できることが、あたりまえすぎて、無自覚になる。マジョリティー側の都合で、物事が進んでいく。少数派を、排除することで、安心を得ようとする。自分は、さも、公平さを保持しているかのように、振る舞う。だけど、言っておこう。あなたの中に、存在する憎しみを他人にぶつけても、なにも、変わっていかない。

 田舎で、男2人と、娘の空(外村紗玖良)の3人で暮らす様を、周囲の人が、受け入れていく。でも、いつまでも、うやむやにできない焦燥感が、当事者にふりかかる。同性愛者ということを、話す必要があるのかという声を、聞く。自分のセクシュアリティーに、誠実にあろうとすれば、説明を余儀なくされる。それを、受け取った側の、描かれ方が、印象的だ。人間味のある、奥深い優しさに溢れている。「多様性」を構築していくために、必要な寛容性について、たぶん、もう、僕らは、気付き始めている。

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心情

気が向いたときに、動く

寂しいから、そばにいてほしい。
一人になりたいから、放っておいて。
その周期を、崩してしまうと、ストレスになる。

調子のいいときもある。
気分が優れなくて、落ち込む時もある。
そりゃ、生き物だもの。
完璧じゃない。

食べたいときに、食べる。
眠りたいときに、眠る。
働きたいときに、働く。
外に出たいときに、でかける。
そういう生活を、結局は、求めている。

まともであることに、執着する必要はない。
ちゃんとしなくちゃいけないと、念じるほどに、疲れていく。
僕は、僕のままで、生きていく。