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映画レビュー

046 「がんばれ!チョルス」(2020)

<基本情報>
2019年、韓国発。
監督は、イ・ゲビョク、主人公を、チャ・スンウォンが、それぞれ、務める。
原題は、「 Cheer Up,Mr.Lee」。

 この作品を、友だちと、鑑賞した。けど、それは、間違いだった。僕は、映画をみて、涙を流すことは、あまりない。さも、はじめから、大人であるかのような、勘違い。もう、分別はわきまえている、そんな、物語ひとつに、感情が揺さぶられることなんてない。いってみれば、ただの、かっこつけなのだ。そんな自分は、もろくも崩れさってしまう。人目もはばからず、号泣してしまった。友人に、泣き顔を見られるのは、なんとなく、恥ずかしい。

 同じ時期に、韓国の映画で、注目されていた「パラサイト 半地下の家族」と、共通することがある。それは、前半と、後半の対比である。導入は、どちらも、コメディ要素に、溢れている。観客は、こういうふうに、話が進んでいくんだなと、思う。それを、いい意味で、裏切ってくれる。その、豹変ぶりが、激しいほど、僕らに、もたらす、衝撃や、印象度も、比例して、大きくなる。

 難病と闘う、少女が登場する。その設定をみると、よくある感動ものだと、あなたは、思うかもしれない。だけど、それだけでは、この作品は、語ることができない。悲しみは、突然に、訪れる。それにともなう、予告は、誰もしてくれない。だけど、それを乗り越えていく力が、人間には、備わっているんだと、僕は思う。一人の力では、どうにもならないことが、社会の片隅で、見捨てられることなく、光をあびる。その光景は、なんともいえない、熱狂を生み出す。

作成者: 木下 拓也

1987年、大阪生まれ。ライター志望。
兵庫の大学を卒業してから、フリーターとして働いています。
セクシュアリティーは、人生を豊かにすると信じる人間です。
書いて、伝えることを大切にしています。

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