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思考

救いを、求めて

 ある世界征服者が、哲学者に、一つ問うた。「なぜ、あなたたちは、私に、注目せず、無視するのか」と。この問いに対して、学者は、民主的な答えを、返した。
 「王よ。すべての人間は、この地球の表面で、立っているのと、同じくらいの広さを、所有することができる。あなたも同じ、人間です。すぐに、死ぬでしょう。そのとき、あなたは、自分が、埋葬されるのに、十分な土地だけ、所有することになるでしょう。」
 この厳しい平等的非難に対して、大きな賞賛が与えられた。どのように、公平な世界を、作っていくのかという問題に、大きな指針を、示してくれている点において、敬意を表しつつ、議論を深めていきたい。

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・行き過ぎた、自由
 驚くべきことではないが、個人の自由の重要性を、理性的に認識したから、僕たちは、何世紀にもわたって、自由を擁護し、自由のために、戦ってきたのである。けれど今、自由に対して、完全な優先権を与えるのは、極端すぎると、論じるべきだろう。
 なぜ、飢餓や医療を、受けられないことの方が、個人の、あらゆる種類の自由の侵害よりも、重要でないと、見なさなければならないのだろうか。人の豊かさを、どのように、定義するのかという発問にたいして、そのような議論が、たびたびなされてきた。その答えが出る気配は、一向に、ない。

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 正義をいかに、構築していくかの答えとして、ここで、偉大な研究者のアイデアを、記すのは、乱暴だろう。要約するという行為は、どのようなものであっても、究極的には、野蛮なものである。それでも、基礎的な特徴に焦点を与えて、伝承される必要がある。人間の英知を集結した書物が、今の僕の、救いになっている気がする。