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思考

そんなこと聞いてない

 たまに自分が分からなくなる。どんな時に悲しくて、どんな時に嬉しかったのかを、忘れてしまうみたいに。と言っても、僕がどのような人間であるかを、他人は決めてくれない。その事実が、恐ろしいと思うのは、空虚な悩みだろうか。

 くよくよしている状況に四苦八苦する日常。いっそのこと、いや、だからこそ、愛について、希望について、所有について、何も疑わなかったあの頃に戻りたいと思う。この世界は、ときに僕が僕でいることを、拒んでくる。

★   ★   ★

・世の中がぎすぎすしている理由

 お金が動いている気配がする。そんなとき、僕はこの社会の片隅に追いやられていると感じる。だってそれは、自分にとって関係のない流れだから。そこで生じている売買や取引について考えた。たぶん、商品を提供している側も、高い値段の理由を見失っているんじゃないか。

 いろんなサービスが、できては消えていく。それらは果たして、それ程の価値を世の中に付与しているのか。そこが分からないから、取り繕う。体を装う。もっともらしくする。綻びが出ないように。どんどん中身が空っぽになって、働く人々は、ぎすぎすした空気に疲弊していく。

・正しさなんて

 そして、疲れた大人は寛容さを失い、蔑んでもいいんだと周りから認定された者をターゲットにして、排除していく。そうでもしないと、資源やお金は限られているんだから、自分たちの取り分が減ってしまう。何の取り柄もない奴を、養っていく余裕はないという理論が、正しいのか。

 弱者にたいして、マジョリティー側が権利を認めるかどうかが、議論される。立ち位置の不公平について、指摘する人はいない。いつから僕らは、人間の価値を値踏みするようになったんだろう。歴史から見えてくる、淀みのない形だけの正しさが泣いている。そんな風に思う。

★   ★   ★

 いやいや社会って、そういうもんだろと誰かが言う。でも、そんなこと聞いてない。ある社会学者が言っていたんだけど、社会とは私たちのことだから、それは私たちの問題であるらしい。それならば、その私たちは、障がい者だし、LGBTQの人たちだし、外国人であるかもしれない。とりあえず、僕らは生きていかねばならない。あなたがあなたである理由を、見つけるみたいに。

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思考

僕の瞳に映る世界は

 戦争のニュースで心が痛い。愛する人を殺されたのだから、やり返すのは、当たり前だ。国中の人が、憎しみに駆られる。そんな状況で、どうやって日常を守ればいいのか。空爆で人が死んでいく。安全な場所で暮らす僕らが言えることなんてないのだけど。それでもせめて、平和を願う気持ちを声にしなければならない。生まれ落ちた場所で、幸か不幸かが決まる現実を壊したいから。

  ★  ★  ★

・そぐわないものは捨てる

 大国は、こぞって宇宙開発を進める。それに対して何も思わなかったけど。なんだか、そこまでして人間の力を見せつける必要があるのか。人が踏み入れたことのない場所をそのままにしておく。それはそれで美しい。もし地球が壊れるとき、私たちも一緒に滅びる覚悟があるからこそ、手に入れる命の輝き。外の世界へ影響を及ぼすことが、強く逞しく賢いことだとするなら、そんな価値観はこっちから捨ててやる。

・変化との戦い

 「私の性自認は、クジラです。」ああ、そうなんですねという柔軟さが、必要になってくるんじゃないかと、勝手に思っている。子どものころテレビで、建物に恋愛感情を抱く人たちについての特集を見た。僕は、そのとき頭がぐらっとする感覚があって、これまでの当たり前を崩された気がした。なにも変わらない、なんの恐れも生じない多様性の尊重なら、いらない。変化というものは、自分の存在を脅かしてくるものだと思うから。それと戦うからこそ、新しい時代が来るのだ。

  ★  ★  ★

 外の世界へと、勇敢に冒険しにいかなくても、僕らには、内側にある秘密を探りにいき、未知の自分を発見するという楽しみがある。倒さなければいけない敵がいなくても、攻略しなければいけないミッションがなくても、あるいは、生きがいなんてなくても、思考すべきことはいくらでもある。人を愛することに夢中になっていれば、争っている暇はない。空虚な退屈が襲ってきたとき、人は他者へと牙を剥く。僕の瞳には、世界はそんなふうに映っている。

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飢えを知らない僕たちは

 頼りない僕は、何にすがりつけばいいんだろう。いつまでも不安なのは、圧倒的に経験が不足していることを指す。確固たる自分なんてものは、待っていても、向こうから歩いてくるものじゃないことは、分かる。少しでも肯定してくれる言論を求めて、他から怪しげな理論を借りてくる弱さ。そうだ。歪んだ歴史認識を真に受けてしまうお前は悪くない。ただ、ただ社会が、混沌としていく。

★   ★   ★

・理解という思い込み

 あなたのなかに描かれる僕は、いったいどんな人間なのか。きっと実際とは、かけ離れたものであることは、容易に想像がつく。だけど、相手を知るというのは、今、自分がどのようにその人のことを、感じているのかという、想像の域をでない。じゃあ「理解」って、そもそもいったいなんなのか。不快かどうかという感情のものさしだけが大きくなり、それが印象の全てになる。でっち上げられた人物像が、さも正しくあるかのように、もっともらしく批判する輩の愚かさ。まずお前は、自分にとって不都合な存在に、なぜそういった苛立ちを持つのかを、探るべきだ。

・見落としていた愛を思い出す

 ひとりで生きている。そう思ってた。つらくて、悔しくて涙が出るときも、横には誰もいなかった。大人になるのは、こんなにも苦しいのかと、誰かに吐き捨てたい気持ちだった。けれど、今まで僕に注がれていた優しい眼差しは、すでにそこにあったのだろう。ただ気付かないだけで。幼い頃、感じた幸福。親に施された慈しみが、たしかにここにある。それを、反芻するかのように、あるいは過去を取り戻すかのように、幸せへの経路をたどる。今になって、愛が確固たるもになって、心に根付いているのが分かる。次に何をなすべきかという答えは、すでに僕のなかにある。

★★★

 飢えを知らない僕たちは、いったい何を渇望すればいいんだろう。よく言われる。日本という国に生まれ落ちたこと自体が、幸せだと。そんなこと、言われなくても若い人は分かっている。こんなにも物が溢れかえり、至れり尽くせりの娯楽が用意されている。それでも、満たされない何かの正体は不明だ。環境、不平等、戦争、飢饉、そんなワードで片付けられない現実が、すぐそばにある。結局、僕は何ができるんだろう。思考することさえ、おぼつかない。とりあえず、文章を書く。不器用な言葉が、誰かに届くことを願って。

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言葉の風

 季節が移り変わっていく。なぜか、泣きたくなる。どうして、そんなに我慢しているのと、色づく花や緑が語りけてくるみたいだからだ。春の息吹は、みなに平等に、優しさを振りまく。いびつにまとめられた、ひとつの世界は、今日も、何事もなかったかのように、閉じようとしている。そこで暮らす悲痛な叫びを無視して。なにかを変えたいという、ありきたりな衝動のまま、動け。その思いは、きっと誰かに届くだろう。

★   ★   ★

・弱さという宇宙

 僕は、この社会にとって必要なのだろうかという不毛な問いが、頭をめぐる。役に立っていようが、無駄な人員であろうが、あるいは、意味があろうと、なかろうと、そんなことは気にしないで、存在し続けてやるという、ある種の強さが、求められている。ある作家は言った。弱さがキー・ポイントなのだと。消えてなくなってしまいたいのは、たぶん、その弱さが、あなたのなかで増幅していき、そこにはじめからあった宇宙のように居座ってしまっているからだ。抵抗しないで、その身を任せてしまえ。いずれ、黒の世界は、雲が霞みがかり、雨が降り、大地に命を吹き込むだろう。何億年も前に、地球ができたみたいに、あるいは、季節が循環していくリズムみたいに。

・虹色の線

 蛹(さなぎ)のときが、いちばん美しい。僕は、そう思っている。やがて、羽化し、成虫になるときを待つ、その状態は、エネルギーが、身体のなかに、充満している。はちきれそうな力は、誰かを傷つけるためではなく、あるいは、誰かを脅かそうとするためではなく、自然の一部として、己のほうへ消えていく。そして、美しい蝶になったあなたは、まだこの世界になかった儚い虹色の線を描くだろう。かつて、戦争があり、暴力がこの世を支配していた。散っていった命にたいして、僕らができるのは、ただ、死の気配が、まだなお充満する今に、たくさんの色鮮やかなラインを引き、平和へと誘うことなのだ。

★   ★   ★

 時代は、変わったのだろうか。人々の考え方は、変わったのだろうか。多くの場合で、日常のふとした場面で、それぞれの考えをうやむやにして、表面上は、波風を立たせないように繕っているのが、現状じゃないだろうか。そして、もちろん、そのせいで我慢して、自由に生きれない人が、たくさんいる。そう思っているのは、決して一人じゃないし、声をあげて、変えようとしている人もいる。ここで、伝えなければいけないのは、この窮屈な社会で、びくともしない壁に囲まれて身動きのできないあなたの重荷が、軽くなる言葉だと思っている。なぜか、泣きたくなる春の日、風にのって、その思いが届きますように。

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それはそれとて、お前は自信をもて

 なにに対して、お金を払っているのかが、分からなくなる。きっと、ここでお金を使えば、こんな幸せが手に入る。そう思わせようとして、たくさんの広告で溢れる世界は薄汚いとさえ思う。その大半が錯覚なんじゃないだろうか。いわば、そこにお金を費やしても、全然楽しくないのである。誰も、お金について、おおっぴらに語ろうとしない。とても大事なはずなのに。だから、今回はお金について、話そう。

   ★   ★   ★

・和菓子屋さんで、おはぎを買う

 僕は、よく近所の商店街にある和菓子屋さんに立ち寄る。そこで売っているおはぎは、絶品なのだ。(季節限定のいちご大福も、美味しい。)店頭にたつお母さんとの、二言三言の会話も楽しみにしている。一人暮らしをしている僕にとって、そのつながりは、社会との接点であり、お金の損得を抜きにした、捨てがたいものなのだ。資本主義の隙間にうまれた、小さなひずみは、この社会に核になりうる。美味しいお菓子と、孤独さえも吸い取ってしまう時間に対して、対価を払う。それは、お得そのものなのだ。

・経済とは生活のことである

 夜遅くに仕事が終わり、夕食をとれそうなお店の大半は閉まっていて、24時間営業のマクドナルドに足を運ぶ。レジに立っていたのは、和菓子屋さんのお母さんだった。僕は、なんとなく気まずくなる。そして、悲しくなった。たぶん、それは、手の込んだ和菓子を売るだけでは、生活できなくなってしまった社会への憤りだと思う。どこに行っても目に入るスターバックス、なんでも揃う大型ショッピングモール、保存料だらけの安価な商品を売るコンビニ。別に、それらが悪だと言っているわけではない。だけど、僕は、街の片隅でひっそり営む、体に害のないものを手間暇かけて作っているお店にお金を使いたいと思った。そのお金が、また、生活のなかに循環していく。その流れの正体が、経済なのだ。

   ★   ★   ★

 自分で、稼いだお金を好きなように使う。その価値もわかる。当たり前にするその行為は、この社会をつくりだす全てになってしまったように感じる。例えば、病気や障がいで、働けない人もいる。いわば、お金とは、特定の人を排除してしまう側面を持ち合わせているのだ。(お金に困ってない人は、そんなこと考えないだろうけど)いわば、お金の使い方は、自分とは何者であるのかということと密接に関連している。

 だから、どこにお金を落とせば、みんなが幸せになれるのかを考えて欲しい。大きな資本を元手に、大企業らは、魅惑的なサービスを売ろうとしてくる。お前は、お金を持っていることにしか価値がないとでも言うように。でも、実際は違うだろ。僕が和菓子屋さんのお母さんとの会話で気付いたように、人とのつながりは、そんなんじゃない。自分の人生に価値がないと思っても、それはそれとて、お前は自信をもて。

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小さき声を拾う

 僕が、いちばん物事を深く考えているという錯覚は、エゴを通り越して、宇宙の塵に、埋もれていく。ただ、名もなき人の人生に、耳を傾ける。なぜ、そんな選択をしたのか。その時、どんなふうに感じたのか。そのような語りを並べることに、何の意味があるのかという批判にも、一理ある。マクロな歴史や構造に結びつける分析や考察は、プロがやることであり、我々がすべきことではない。勝手な解釈は、ときに暴力になる。

★   ★   ★

・ずれ  
 こういう時は、この対応をすべきである。マニュアルに沿って、仕事をこなしていくことが、僕らには求められる。それでも、やはり、納得できないこともある。無駄な手順ではないかとか、あるいは、もっと優しく、人間的な対応できるのではないか。各々で、考え抜いた手法でこなせばいいのだけど、ときに、それが、社会とのずれになっていく。
 職場の規範に、馴染めれば、それはそれで楽だろう。実際、上司と呼ばれる人は、上手に振る舞い、波風をたてずに、順応している。でも、自分を押し殺して、生きていくことが、僕には苦痛である。そんな人間は、そそくさと、排除されるみたいだから、体を装い、表面的な返事をかえす。なんとも、みっともない日常である。

・メインとサブ
 しっかりとした教育により、社会化される。そんな人間ばかりが集まるところを、メインシステムと呼ぶことにする。上からの命令に、素直に従うことができ、それに、なんの疑問も抱かない。だとしたら、潤滑にことは運びそうだ。僕らは、知らずのうちに、そこで暮らすことが、強制的に決められ、なおかつ、幸福の道であると、洗脳される。一度、そこを、疑ってみたいと思う。
 社会化を望まない人間が集う場所を、サブシステムと、呼ぶことにする。はたして、そこは、どんなところだろう。たぶん、今、ここ日本では、サブシステムとなりえる場所が不足している。要は、うまく社会に溶け込むことができない者を、許容する受け皿が、ない。たとえば、彼らは、不適合者かもしれない。

★   ★   ★

 でも、僕は思う。人は、生れながら、不器用かもしれない。仕事ができないかもしれない。悪い事をしたわけでもない。そんな人間を、メインシステムに横たわる価値観で、押し潰してしまっていいのか。みんなが生きやすい社会を目指すべきではないか。誰にも助けを求めることができず、孤立してしまった人の声を聞くべきではないか。本人の努力が足りないと、一蹴していい問題ではない。憤りに近い叫びが、たしかに、ここにある。小さき声がする場所の在処を、明確にする。そのために、ここに文章を綴っている。

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ウーバー配達員をして、分かったこと

 きっかけは、いつも行く銭湯のおっちゃんとの会話だった。お金がないなら、空いた時間に、さくっと稼げるよ。実際、若いやつは、そうしている。その言葉を、鵜呑みにして、僕は、今まで、持っていなかった自転車や、UberEatsのロゴの入ったバッグ、スマホホルダー、持ち歩きできる充電器を、買い揃え、配達員をしてみた。今日は、そのことについて、書いていきたい。

    ★   ★   ★

・低賃金で働く
 一回、配達するごとに、300円の文字が、スマホに表示される。ただ、物を運ぶだけ。そんなの、誰でもできるだろ。なんのスキルもいらない。だから、もらえるお金は、その程度だ。そんな声が聞こえる。けれど、自転車での移動は、結構疲れるし、交通ルールに気をつけながら、商品をお客様のもとに届けるのに、慎重になって神経も使う。これで、300円か。僕は、そう思った。なにか、自分の一部が損なわれたような、感覚。
 なにも、稼ぐ金額が、その人の価値を表すとは思わない。けれど、社会はいつも、お前は、どんな価値を提供できるのかと、問うてくる。その期待に応えるために、努力する。それは、それでいいだろう。結局、生活していくのにお金はいる。でも、能力に応じて、給料が決まるという、そのシステムを全肯定する気にはなれない。なぜなら、僕らは、生まれつき、不器用だったり、仕事ができなかったりする。もちろん、障がいをもっているかもしれない。言うならば、全然、公平じゃない。そこに、文句を言いたいのだ。

・クリエイティブの価値
 けど、やっぱり結局は、それは、努力が足りないからだと、言われるのがおちである。お前の代わりなどいくらでもいる。嫌なら、ここを去ればいい。能力主義というものは、いっけん万能にみえて、残酷な部分もあるのだなと思う。なにも役に立たないものは、生きること自体を、奪われる。そこで、出来損ないの僕らは、手立てを、考えなければならない。
 漠然と、何かを書かなければならないという衝動に動かされる。それが、絵を描くことでもいい。音楽を奏でることでもいい。料理を作るでもいい。何か、手を動かして、ものを創造していく。出来上がった作品なんて、誰が、買うんだ。いま、クリエイティブの価値は、軽く見られている。でも、僕らには、自分のつくりあげるものの価値を、信じてみる覚悟が、必要なんじゃないだろうか。配達員をして、もっとも大きな気付きは、そこだった。要は、その仕事に手をだすことで、芯がぶれたのである。

    ★   ★   ★

 お金がなければ、誰かを頼ればいい。それは、かっこ悪いかもしれない。ろくでなしかもしれない。でも、やりたくもない仕事を、ちっぽけな給料でする必要はない。あなたは、あなたなりの素敵な時間を積み重ねていかなければならない。労働に気をとられている暇はないのだ。
 一方で、ウーバー配達員で、生計を立てている人を、底辺の仕事だと馬鹿にする言説に、僕は強く反対する。簡単に務まることじゃない、なんなら一度やってみればいい。その人の職種で、差別をする輩は、信用しない。僕らは、偶然、この世界に生まれてきて、意味のない生に、いやでも向きあう。しんどくなるときもある。でも、生き続ける意志を捨てない。そこに、知性があるのだ。

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選択しないという選択をする

 思えば、僕らはいつも選択を迫られる。今日、どんな服を着て出掛けようか。夕ご飯は何を食べようか。あるいは、どんな仕事に就こうか。どんな友人と親しくするべきか。些細なことから、ときには、今後の人生を左右されることまで。結局は、何が正解なのかは、分からない。だから、誰かが選んでくれればいいのにと考える時もある。
 ひとつ決断をするごとに、確実に神経は、すり減っていく。やはり、決められる数には限度がある。ならばオートマティックに、まるで流れ作業をするみたいに、ことが進めば、楽になるのに。けれど、不甲斐ない僕は、ひとつのことで、延々と考え込んでしまう。まるで、ふたつの人参を目の前にぶら下げられた馬が、どちらを食べようか決めかねているうちに、餓死をしてしまうみたいに。

    ★   ★   ★

・異星人の話
 もっともセンシティブな選択のひとつとしては、どこまでを自分と同じであるかを、定めるかだと思う。家族であるかどうか、異性愛者であるかどうか、健常者であるかどうか、同じ日本人であるかどうか、さまざまな境界線を僕らは、無意識に引いてしまう。それは、結局は、他者を受け入れことができるのかを、問われていることと同義である。いつか、地球に異星人がやってきたとき、彼らを快く迎え入れるほどに、余裕を持てているか。もっとも、同じ地球人どうしで、戦争を止めることができない状況を鑑みれば、その答えは否である。

・人生は偶然で方向づけられる
 宇宙から、生命体がやってくるまで、まだ時間はあるだろう。(厳密に言えば、わからないけど)それまでに、僕らは、もっと成熟せねばならない。そのためのキー・ポイントしては、選択をすること自体に、それほどまでに、意味はないと、気付くことなんじゃないだろうか。生きていれば、多少のことは、分かってくる。選択の積重ねによって、今という時間があることは、否めない。けれど、そもそも、人生は、必ずしもコントロールできるものではない。予期せぬ出来事により、形づくられたり、流れに身を任せていれば、辿りついた場所はここだった。そんなことが、多々ある。

    ★   ★   ★

 だから、僕らは怖気付く必要はない。医療が発達して、子どもが産まれてくる前に、障がいを持っているかどうかを、判別できるようになる。産むかどうかを、決めかねる。そこに、きっと、正しさとか、正義とか、常識とかは、通用しない。ただひとつ言えることは、はなからその検査をしない。ようは、その選択の場から降りる。選択すること自体を、放棄してしまう。そんな選択もありだということを知っていれば、いささか、生きやすい。社会には、人種、民族、性別、性的指向、さまざまな属性の人が、共に生きている。その、それぞれの命の価値を僕らは、決めることできない。だから、世界は美しいのだ。

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あなたは、どう生きるか

 僕は、あなたとは異なる、違う場所で戦っている。そう思うことがある。正直、役に立つかどうかで、人に優劣をつける社会にはうんざりだ。仕事ができなかったり、どんくさかったりすることもある。それでも、お前は、堂々と、給料をもらえばいいし、生きていけばいい。そんな簡単なことが、どうして言えないんだろう。
 多くの取り分をもらうために、努力する。それはそれでいい。でも、その競争に参加する気に、なれない自分はなにか、欠損しているんだろうか。僕は、僕の読みたい本を読むし、好きなように過ごす。それを、怠けていると言われてもいい。なんら気にならない。ただ、ここで文章を書きなぐるように思考を深めることができれば、僕は生きていける。

     ★   ★   ★

・無限だったはずの世界
 宇宙は、無限だと言う。その事実を知ったとき、人間はどう感じたんだろう。森や水源や土地もまた、どこまでも広がっているのが、世界なんだと、勘違いしたかもしれない。どんどん開発を進めて、貪欲に豊かさを求め、文明を切り開いてきた歴史は、ある種の暴力性を帯びている。かつては無限であるはずの資源は、明らかに枯渇し、さまざまな環境問題を生み出している。人間は、いつか滅びる。だから、いま必要となるのは、いかに、混乱を避けながら、この社会の衰退を見定め、身を引いていくことができるのか。僕は、そう思っている。

・立ちはだかる有限
 もっと、現実を見よう。命には、寿命がある。経済成長だって、行き止まる。立ちはだかる有限に、戦慄している暇はない。ここでキーワードになるのは、あちらこちらでささやかれている「脱成長」である。そんな停滞した場所で生きるのは、魅力がない。あなたは、そう思うかもしれない。でも、果たして、本当にそうだろうか。もういかに自分が、優秀かどうかを示さなければいけない競争がおわる。しょうもないレースから解放された僕らは、次のステージに進む。いわば心の内側へと、突き進んでいく。自分が何者かを探る旅にでるのである。

    ★   ★   ★

 これまで、書いてきたように、僕らの歴史は、転換期をむかえている。いままでの感覚でいえば、世界はいま、とてつもない変化にみまわれ、加速度的に、どこかに向かっているかのようだった。けれど、じっさい、人口の増加率は、低下している。いわば、そんなに変わりばえのない安定期にはいったのだ。そんな現代に生きるあなたは、何に幸福を感じて、どのように生きたいと思ってるんだろう。そんなことは、僕には、到底、わからない。でも、それでいい。自由な創造が、ここからずっと、続いていくのならば。

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這いつくばって、叫ぶ

 汗だくになりながら、部屋の掃除をする。窓の外では、湿った空気と、乱反射する日光が混じり合い、夏が来たことを、みなに告げる。その瞬間、僕らは、また、この季節がやってきたんだなと、過去の記憶と対峙することになる。これまで過ごしてきたあれやこれやは、けっして、生易しいものではなかった。だけど、都合のいいことに、幸福な時代しか、思い返さないのは、不思議だ。
 苦しかったときの自分。あのとき、どのようにして、今日をやり過ごしてきたんだろう。息苦しいほどに、何か答えを求めていた気がする。意識の空白が、怖かった。なにも考えないことは、すなわち、無や、非意味に近づく。それを、受け入れることでしか、安定はこないと、今なら、分かる。さあ、まだ見ぬ明日へ、これまで、過ごしたことのない夏へ。

    ★   ★   ★

・含有される意味
 僕は、とりあえず、無口だった。「シャイなんだね」と言われることもあった。黙ることで、この世界のルールに巻き込まれないようにしていたのかもしれない。あるいは、口から発する言葉、全てに、意味が含まれると勘違いしていたのだ。なにかを話すことが、誰かに影響を及ぼしてしまう。傷つけたり、誤解されたり、嫌われたり。それはなんとも、生きづらいのだった。ようは、なんの意図も込めずに、思ったことを、喋る。そんな簡単なことが、僕には、できなかった。
 意味があり過ぎる言論は、敬遠される。そう、思っている。そこに含有される意味を、読み解くのが、面倒だからだ。ようは、自分の頭で考えることが、できないのだ。悲しいけれど、現実はそう。だから、相手を気遣いすることを、まったくしない(悪意にまみれていると言っていい)、こちら側が何も考える必要のない、分かりやすくて単純な意見が、支持を集めたりする。ただ、言っておくが、この世界は、あなたが思っているより複雑で、思慮深く、やむにやまれぬ理由で、溢れている。それを、見落とすことが、どんなに、もったいないかを、僕は言いたい。

・それぞれの正しさ
 みなが、自分は正しいと思っている。それは、それでいい。多種多様な意見で溢れればいい。ただ、である。その各々の正しさを、戦わせることで、快感を覚える輩がいる。相手を論破しないと、気が済まないらしい。その類の人間にかぎって、私は賢いと思っている。厄介なことに。頭がいいとか、悪いとかは、本当にどうでもいいことなんだが、自分が、相手より優位に立っているか、そうでないかを執拗に執着したり、相手が下だと思うと、横柄な態度をとる。僕が、苦手なタイプである。
 百歩譲って、そういうやつが、いてもいい。だめなことは、彼らのような者が、権力をもったときである。権力のありかの、正当性を問うことが必要である。たしかに、お金は必要である。一定の豊かさはほしいし、何で食っていくかというシビアな問題もある。けれど、だからといって、俺は、日本をこれだけ経済成長さしてやったぞと、ふんぞり返られては、困る。そこに、あなたが権力を握る根源はないからである。言うまでもなく、選挙で、僕らは、政治家を選ぶ。

   ★   ★   ★

 実際のところ、日本経済は、停滞している。下り坂であることは、間違いない。けれど、他の国から、先進国と認識されることが、それほど、重要だろうか。それよりも、ここで暮らす、名もない小さな世界で生きる、どこにでもいる、なんの取り柄もない、どうしようもない僕みたいな人間が、安心して生活できることを優先させてほしい。もし、自由を愛し、そこはかとない正義を、重んじるのであれば。それが、這いつくばりながらの、叫びだ。

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