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思考

飢えを知らない僕たちは

 頼りない僕は、何にすがりつけばいいんだろう。いつまでも不安なのは、圧倒的に経験が不足していることを指す。確固たる自分なんてものは、待っていても、向こうから歩いてくるものじゃないことは、分かる。少しでも肯定してくれる言論を求めて、他から怪しげな理論を借りてくる弱さ。そうだ。歪んだ歴史認識を真に受けてしまうお前は悪くない。ただ、ただ社会が、混沌としていく。

★   ★   ★

・理解という思い込み

 あなたのなかに描かれる僕は、いったいどんな人間なのか。きっと実際とは、かけ離れたものであることは、容易に想像がつく。だけど、相手を知るというのは、今、自分がどのようにその人のことを、感じているのかという、想像の域をでない。じゃあ「理解」って、そもそもいったいなんなのか。不快かどうかという感情のものさしだけが大きくなり、それが印象の全てになる。でっち上げられた人物像が、さも正しくあるかのように、もっともらしく批判する輩の愚かさ。まずお前は、自分にとって不都合な存在に、なぜそういった苛立ちを持つのかを、探るべきだ。

・見落としていた愛を思い出す

 ひとりで生きている。そう思ってた。つらくて、悔しくて涙が出るときも、横には誰もいなかった。大人になるのは、こんなにも苦しいのかと、誰かに吐き捨てたい気持ちだった。けれど、今まで僕に注がれていた優しい眼差しは、すでにそこにあったのだろう。ただ気付かないだけで。幼い頃、感じた幸福。親に施された慈しみが、たしかにここにある。それを、反芻するかのように、あるいは過去を取り戻すかのように、幸せへの経路をたどる。今になって、愛が確固たるもになって、心に根付いているのが分かる。次に何をなすべきかという答えは、すでに僕のなかにある。

★★★

 飢えを知らない僕たちは、いったい何を渇望すればいいんだろう。よく言われる。日本という国に生まれ落ちたこと自体が、幸せだと。そんなこと、言われなくても若い人は分かっている。こんなにも物が溢れかえり、至れり尽くせりの娯楽が用意されている。それでも、満たされない何かの正体は不明だ。環境、不平等、戦争、飢饉、そんなワードで片付けられない現実が、すぐそばにある。結局、僕は何ができるんだろう。思考することさえ、おぼつかない。とりあえず、文章を書く。不器用な言葉が、誰かに届くことを願って。

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