戦争のニュースで心が痛い。愛する人を殺されたのだから、やり返すのは、当たり前だ。国中の人が、憎しみに駆られる。そんな状況で、どうやって日常を守ればいいのか。空爆で人が死んでいく。安全な場所で暮らす僕らが言えることなんてないのだけど。それでもせめて、平和を願う気持ちを声にしなければならない。生まれ落ちた場所で、幸か不幸かが決まる現実を壊したいから。
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・そぐわないものは捨てる
大国は、こぞって宇宙開発を進める。それに対して何も思わなかったけど。なんだか、そこまでして人間の力を見せつける必要があるのか。人が踏み入れたことのない場所をそのままにしておく。それはそれで美しい。もし地球が壊れるとき、私たちも一緒に滅びる覚悟があるからこそ、手に入れる命の輝き。外の世界へ影響を及ぼすことが、強く逞しく賢いことだとするなら、そんな価値観はこっちから捨ててやる。
・変化との戦い
「私の性自認は、クジラです。」ああ、そうなんですねという柔軟さが、必要になってくるんじゃないかと、勝手に思っている。子どものころテレビで、建物に恋愛感情を抱く人たちについての特集を見た。僕は、そのとき頭がぐらっとする感覚があって、これまでの当たり前を崩された気がした。なにも変わらない、なんの恐れも生じない多様性の尊重なら、いらない。変化というものは、自分の存在を脅かしてくるものだと思うから。それと戦うからこそ、新しい時代が来るのだ。
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外の世界へと、勇敢に冒険しにいかなくても、僕らには、内側にある秘密を探りにいき、未知の自分を発見するという楽しみがある。倒さなければいけない敵がいなくても、攻略しなければいけないミッションがなくても、あるいは、生きがいなんてなくても、思考すべきことはいくらでもある。人を愛することに夢中になっていれば、争っている暇はない。空虚な退屈が襲ってきたとき、人は他者へと牙を剥く。僕の瞳には、世界はそんなふうに映っている。