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思考

茘枝(ライチー)の皮

 どうして、こんなにも、息苦しくて、生きづらくて、決して居心地のいいものではない場所で、だれも認めてはくれない我慢を、強いられているのだろう。別に、理解して欲しいなんて思ってない。ただ、成熟(してるのか?)している社会で、たぶん、一昔前のような勢いはない、経済が伸び悩んでいる状況において、気持ちよく生きているやつって、既得権益に保護された世代だ。そんな奴らは、自分とは利害の関係ない人権論なんかに、耳を傾けようとはしない。

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・疼くもの
 自由貿易に賛成な人たちが、人が国境を越えてやって来ることには、反対だったりする。わけがわからない。でも、考えてみよう。たぶん、どんな判断にも、損得勘定がつきまとう人たちは、こうすれば少しでも、社会が、良い方に変化していくんじゃないかを考えない。別に、それが、悪いといいたいんじゃない。誰だって、損をするのは、いやだ。でも、それじゃ、だれが僕の中で疼く、良心というか、道徳というか、モラルみたいものに、向き合ってくれるのか。今日も、いうまでもなく、高価で買えない薬をもらえず、病気で人が、どんどん死んでいる。

・人口について
 人間が増えると、地球環境に悪いんだから、減ればいいという人が、いる。それなのに、日本では、少子高齢化で、働き手が減るし、経済にも悪影響だとされ、人口の減少を、防ごうとしている。どちらにしろ、人口を操作しようとすることは、僕は、野蛮だと思う。自然の営みに、任せればいい。子どもが、たくさん欲しい人は、そうしたらいいし、逆に、少ないなら、少ないなりに、いいこともある。たしかに、高齢者を、あるいは、かれらを含めた社会というものを、若者が、支えなければならない。それは、そうだ。だけど、それに、平然と対処できる社会を作れないほどに、僕たちは、愚かなのか。それを問いたい。

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 無垢で、純真な、てのひらが、頬に触れる。氷のような冷たい皮膚から、儚さが伝わる。僕の身体を流れる黒い血に、にている、甘酸っぱい果実の皮をめくり、その裏側をみたい衝動に、駆られる。茘枝(ライチー)の皮を、はがしながら、夏のむせかえる緑のにおいを、鼻にふくませて、次の季節を、待ちたい。