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日常・コラム・エッセイ

過去が過去になるのには、少なからず多少の時間が必要なようだ

 新しい仕事に就いて、約1ヶ月が経った。少しずつリズムを掴み始め、僕はこなさなければならないことを、順になしていく。そんなに難しい内容でもないから、あと少しすれば、全体を理解しながら、個々の作業に没頭できるはずだ。

 人生は、不思議だなと思う。前の職場にいた自分こそが、自分だと思っていた。でも、今は環境が変化して、新しいことをしながら、生活している。ここで僕が思ったのは、仕事が何であるのかと、自分が何者であるのかは、関係しているのかということなのかもしれない。

 そんなことを考えても、結局、日々、労働者として、お金を稼がなければいけないのだけど。でも、お金を払えば、人を雇えることとか、利益を追求していかなければ生き残れない資本主義とか、当たり前になっている仕組みに対して、あれやこれやと文句を言いたくなる。どうやら僕は、ややこしいタイプの人間らしい。

 とりあえず、無力な僕がここにいる。落ち着きのない社会から、振り払われそうである。きっと、排除されたところで、必至になってしがみつこうとすることの馬鹿馬鹿しさに、気付くだけだ。だって、世界は、向こう側にあるんじゃなくて、常に周りに飛び火していく縁のなかに存在しているから。僕が投げた優しさは、いつか僕に舞い戻ってくる。

 何も知らず、ただお前はなんの役にも立たないから、ここにいるべきではないという声に抗っていた。でも、そんな時期は、無音に、そして無意味に、過ぎ去っていく。どうやら過去が過去になるのには、一定の時が必要なようだ。そのタイムラグは、大人になるにつれ、大きくなっているように感じる。以前の無垢な僕にたいして、どんなメッセージを伝えなければいけないのか。それが、全くもって、答えの問いかけみたいに、分からないのだ。

 ここから発信されたセンテンスは、海の藻屑になって消え去っていく。でも、それでいい。ただ、爪痕を残そうとして、あるいは、心を繋ぎとめておこうとして、精一杯に歩く僕は、まだ未完成だから。いつか、僕の思考があなたに届けばいい。そんな夜は、月が綺麗に輝いていることを、切に願う。

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