お風呂あがりの、僕は、上機嫌だった。
銭湯の脱衣所で、大雨の災害のニュースに、目をやる。
今、ここに流れている時間は、フェイクのように、空虚であることを認めざるをえない。
今日、失われた命と、まるで無造作に、生き延びた、魂。
その両面を含めて、ひとつの世界なんだと、あなたは、諭す。
でも、そんな、うわっつらな解釈なんて、いらない。
この先の、延長上に、たぶん、「死」がある。
その時は、苦しいかもしれないし、痛いかもしれない。
いっそのこと、安らかに殺してくれという、傲慢な願望を、焼き尽くせ。
人の命について、語れるほど、賢くはない。
だけど、せめて、慰めの言葉を紡ぎたい。
その行為が、意味なんてないと、批判されても。
#被害が最小限で済みますように