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無意識の、排除

 たしかに、人の労働や、自然にあるエネルギーなどの資源は、限られている。それを、効率的に、配分することを、よしとする考えかたを、否定するのではない。重要なのは、生産しない人を、切り捨てなければならないほど、資源が、欠乏しているのかということである。

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・人権の意味
 あらゆる人の、生存を、認めることに、他人が関わることは、どんな社会においても、一定の負担を、強いることになる。一方で、負担を、取り払おうと、決定することを、剥奪された人達がいたことは、事実である。だから、人権という言葉によって、個人の、生存する権利が、主張されたのだ。

・切迫
 よいものに、高い値段をつけ、悪いものは、安く、買いたたくことによって、消費者を、優位に、立たせるこのやり方は、金持ちは、よいものを提供されるが、貧乏人は、価値の低いものしか、手に入れられないということでもある。例えば、医療現場において、お金のあるなしで、生死が、左右されてしまうかもしれないし、まちがいなく、これから、そういった社会が、形成されつつある。
 それでは、まずいのだとして、社会的に、負担することにしても、少子高齢化が進み、医療費の増大が、問題になっている現代日本において、限界が、近づいているのは、否めない。

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 社会的に、排除されている人の権利を、奪う行為は、常に、無意識に、起こっている。声を出せず、人知れず、援助もなく、一人でひっそりと、死んでいった人がいる今の状況を、僕は、危惧している。

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思考

他者と、向き合う

 自分では、制御できない、他者の存在を、明確に感じるとき、安心することがある。この世界には、僕一人だけじゃなかったんだと、認識することができるからだ。そんな他者を、できる限り尊重しようと、社会は、動いている。けれども、ときに不条理な暴力が生まれ、ときには、終わらない戦争によって、いくつもの命が失われる。そこには大切な、かつ、重大な視点が、失われているのではないかと、漠然と感じている。

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・自己決定
 死への考えは、様々な議論を、巻き起こす。人の欲望のあり様は、自分とは、違うものとして、ありうるのだから、人が、自ら、死を選ぶことの全てを、止めはしない。決断を、誰からも、関与されずに、実行できるのは、確かに、いいのかもしれない。けれど、それを、全面的に、肯定できない、あるいは、心の中に、わだかまりを感じることが、自己決定における、議論の中心なのだ。

・理解とは
 わかり合うことによって、問題が解決され、人が、仲良くやっていけるような、社会を、構成しようとすることを、正解とすることが、本当に、正しいのか。あなたを、全面的に、理解することは、不可能だし、そのような関係が、社会のすみずみを、覆うことなどないという、立場がある。そもそも、本当に、わかるとは、どういうことか。それを、語ることができないのである。
 わかり合い、自分と、他者が、同じことであるという解釈は、ときに、他者を、傷つけることと、同じ意味をもつ。もし、本当に、同じであることがわかるなら、人々は、もっと、幸福になれるのか。それも、わからないままである。

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 実は、他者を、意のままにすることを、欲望しているだけなのかもしれない。たとえ、そうだとしても、この欲望を、消すことは、無理だと思う。けれど、何らかの、答えを、必要としているのは、間違いない。境界を、引くことが、できないからこそ、混乱が、生じているのだと、僕は考えている。