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詩的表現

サクリファイス

声にならない

想いがある。

それは、誰かに届けばいい。

けれど、現実は、伝わらない。

人知れず、頬をつたう涙が、

今を生きる空虚を

物語っているみたいだ。

あなたが

知らぬうちに手に入れている

権力や、権威が

いつも、怖かった。

そんなことは、つゆしらず

平然と

この社会の階級を

のぼっていく。

もう、たくさんだ。

勝ち目のないレースに

参加し続けなければならない過酷さを

思い知ればいい。

僕は、サクリファイスなのかもしれない。

もう、すべてに意味を

見出そうとするのは

やめよう。

自己肯定を

無惨に奪っていく

あなたが憎い。

底知れぬ不安は

今日も

夜の闇に消えていく。

この世界が

いつまでも変わらないのは

抑圧された人間なんて

存在しないと思われてるからだよ。

その方が

都合がいいのね。

ただ、ただ

語られぬ

文字にならない

意識の総体が

つもっていく。

今夜は

それを燃やす祭典だ。

だから、ひとときの間、

猶予を贈答する。

眠れない

きみに向けて。

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社会の出来事 自分のこと

3つの命

 朽ち果てていく定めのなかで、どう足掻いても、心のゆきどころが見つからない。ただ、社会化を目的に教育された僕たちが、誰からも侵されない自由を手に入れるなんて不可能なのだ。もし、落ち着ける場所があるならば、それはきっと深い眠りの間に存在する、薄暗い闇と悲しみが入り交じった、荒れ果てた宇宙のなかだ。

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・いびつ
 「知性」という怪物が、体の奥の方を、刺激する。いつの時代にも、愚かな民衆はいた。移りゆく時間は、一向に止まる気配はない。ある前提条件が前置きされた状況で、たくさんの人間が選択してきた制度は、歪だ。整合性のとれたものを求めて人間が、試行錯誤してきたならば、その所業は、失敗に終わったといっても過言ではない。

・覚悟をみせろ
 僕はここで、安倍政権批判をしたい訳じゃない。でも、目に余る偏向報道について、何かを言わなければいけない焦燥感が拭えない。ニュートラルな立場での言論は、誰かの熱狂的な支持を得ないかもしれない。でも、メディアの果たす役割を考えたとき、名もなき人々を傷つける言葉を選んではいけない。権力側に、すり寄るんじゃなくて、公平に批判を展開しなければならない。僕の怒りの発生源を、突き止める作業は、困難を極める。きっと、そこで暮らす市民は、世の中の空気を、敏感に読み取っている。利権に群がる連中がいることを知っているし、自己の保身に走る汚い大人がいることも知っている。もし、良識に反した意見を押し通すなら、その覚悟を見せろ。自分の思想に、賛同してくれる人にだけ向けた言葉はいらない。

・覚醒
 僕は、この世界に、3度、生まれた。1回目は、母親のお腹から産まれおち、産声を上げたとき。2回目は、自分のセクシュアリティーを自覚したとき。3回目は、父親が死んだときだ。それぞれの節目で、覚醒とも呼べる、なにか研ぎすまされた知覚を覚える。どうしようもない不条理や、生まれた国によって違う待遇、多様な文化、人間の尊厳、そんなものを、知ったんだと思う。社会における、自分の階級、居場所、立場を、確立していくなかで、弱者と呼ばれる層が存在することから、けっして目を逸らしたくなかった。いつだって心のひだに届くのは、どん底にいても、けっして希望をすてない人間の姿なのだ。それを、笑って馬鹿にする行為を、僕は許さない。

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 自分が、どう格付けされているのかを執拗に気にする人が一定数いる。日本は、韓国より格上だ、その事実を脅かすものには攻撃しなければならない。でも、僕は思う。自分のよりどころは、たぶん、自分にしかない。死にむかっていく過程で、思い知らされるのは、孤独という感情が、あまりにも僕らを、覆っていることだ。たぶん、死ぬ時も、一人だと思う。想像だけど。誰かと一緒に、死ぬことはできない。光に、すべてを期待する時代は、終わった。命の店じまいにむけて、淡々と生きるのだ。