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自分のこと

長い時間をかけて僕を見てほしい

 当然、それぞれが答えを持っている。これまで自分は、そうやって生きてきたんだから、これからもそうする。もし、別の答えを持ってくる奴がいれば、攻撃せねばならない。なんて阿呆らしい。お前が所有している正しさを、放り投げてしまえ。常に揺らぎの中に身を置く。変化し続けていくからこそ、僕らは、変わらない何かを、大切にできるのだ。そう思う。

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・悪者になりたくない

 差別は、いけない。だって物語の中に出てくる悪い奴は、決まって不幸になってるじゃないか。だから、私はいい人であろうとする。本当の心の中は、相手を尊ぶふりをして、ただ自分が悪者になりたくないだけ。

 僕らはたえず、偏見を抱く。それは、避けようのないことだから、せめて自分は善人だなんて思わないようにしよう。だって、うちの子どもは、障がいをもって生まれないようにと願うでしょ。それが、差別的であるのかを問いたい。見知らぬ誰かが、ふとした言葉で傷ついて欲しくないから。そこから始まる世界は、きっと優しい。

・恋愛について

 男だから、女であるあなたを好きになった。なるほど。この切ない気持ちは、そうやって一般論に落とし込めば、説明しやすい。男だけど、男であるお前を愛した。なんだか、2人は幸せになれるんだろうかと不安になる。異性愛者と同性愛者の隔たりみたいなもの。それについて、確かな理論を打ち立てることはできるんだろうか。

 ただゲイであることに誠実にいようとする姿勢を、揶揄するのは間違っていると言いたいだけなのに、長々となってしまう。幸せになりたいと純粋に願う人間を笑いたければ、笑えばいい。自分とは相異なる者を遠ざける世界はつまらない。僕は僕だから、貴方を選んだんだと言える強さが欲しい。

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 社会を生きていくためには、自分をできる奴だと演出する能力が、ときに必要になってくる。残念ながら、それが苦手だ。それでもやはり、働いてお金を稼がねばならない。こうして文章を書いて、考えを発信するそばに、その日常はある。どうか、長いスパンで僕を評価してほしい。これからも、変わり続けていく意思がここにある。人生がどうであれ、辿り着く場所は、誰にも分からないから。

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作成者: 木下 拓也

1987年、大阪生まれ。ライター志望。
兵庫の大学を卒業してから、フリーターとして働いています。
セクシュアリティーは、人生を豊かにすると信じる人間です。
書いて、伝えることを大切にしています。

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