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思考

鎮魂とは

 鎮魂とは、魂を鎮め、落ち着かせ、傷を癒すことだ。いつも願う。思わぬ事故によって、散ってしまった命が、安らかに眠ることを。たとえ、その行為が、意味をもたないと馬鹿にされても、続ける。もし、それが、正しい行いではないとしたら、いったい、この世界の何に、救済を、求めればよいのか、分からない。そもそも、まったく正しいこととか、まったく正しくないことなんて、果たして存在するものだろうか。その境界は、あいまいだということを忘れ、白黒をはっきりさせずにはいられない物事の捉え方は、極端だし、窮屈なのだ。僕にとっては。

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 例えば、優れた画家が、この世にいない人のために、精魂を傾けて描いた絵があるとする。その価値は、誰によって、決定されるのか検討がつかない。だって、世間のつまらない批評や賞賛は、まったく、意味を持たないからだ。まして、経済的報酬が発生してしまうことは、作者が、望む形ではない。その作品が、多くの人の目に映ることがなくても、ただ、存在するだけで、十分だということもある。なんでもかんでも、ランキングにする傾向は、今に、はじまったことではないけど、それでは、あらわしきれない複雑な価値が、この社会には、あるのだ。

作成者: 木下 拓也

1987年、大阪生まれ。ライター志望。
兵庫の大学を卒業してから、フリーターとして働いています。
セクシュアリティーは、人生を豊かにすると信じる人間です。
書いて、伝えることを大切にしています。

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