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思考

言葉と、身体の、関係性を見直す

 トラブルという言葉は、一般的には、事故や失敗を意味する、負の側面を意味することが、多い。けれど、既成の階層秩序や、異性愛を強制的に押し付ける主義、主張に、物言いをつけることは、別の意味で、トラブルを起こすことなのかもしれない。だとしたら、正しいトラブルを起こすのに、最良の方法を模索することが、抑圧された側が、求められることなのだ。決して、暴力的なものではなく。

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・大きな嘘
 社会を、円滑にまわすために、一部の人間を、排除するようなやり方は、嫌い。けれど、同性愛者にたいして、恐怖感や嫌悪感を抱く人がいることを、僕は知っている。それと、性的少数者などの、異なる生の様式を持ち合わせている人と、決して共存できないことは、同義ではないと、僕は、思っている。不快感を言葉にしたり、態度に表すことは、他人を深く傷つけてしまうことを、忘れてはいけない。ようは、偏見を、心の中に葬り去って、相手に、接することのできるような、大きな、だけど繊細な嘘を、身につけるべきなのだ。それが、いろんな人間が、共生するための手段になるはずだ。

・変な形
 台湾において、アジアで初めて、同性婚が、容認されたり、日本でも、同性パートナーシップ制度が、いくつかの自治体で、つくられたりしている。時が、確実に、変化を、起こそうとしている。そんな流れに逆らって、同性愛について、拒絶したり、否定的な考えをもつ自分を、責める必要はないのだと、言いたい。だって、当事者である僕だって、男同士で恋愛するのって、変なのって、思う時が、あるくらいだから。

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 言葉はいつから、相手の行動を、変えるまでに、力をもったのだろう。男であることや、女であることが、強制されていないか。アイデンティティを構築する、基本的なカテゴリーも、言説の制限を受けるパフォーマティヴな行為によって、つくりだされた文脈でしか、ない。身体のニ元体という自然な事実が、じつは、人工的な生産物ではないかと、懐疑的に、みていく必要はあるだろう。

作成者: 木下 拓也

1987年、大阪生まれ。ライター志望。
兵庫の大学を卒業してから、フリーターとして働いています。
セクシュアリティーは、人生を豊かにすると信じる人間です。
書いて、伝えることを大切にしています。

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