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思考

腐敗を、止める

 僕は、自由なのか?そのような問いかけは、何の意味も、もたない。人は、ときとして、覚えていたはずのことを忘れ、忘れていたはずのことを、思い出す。とくに、せわしない日常に、おわれているようなときには。今、求めているのは、そんな、あやふやな記憶なんかではなく、手に取ることのできる、確実な現実なのだ。

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・距離化
 きっと、今も、どこかの国で、空爆によって、多くの人が、死んだり、傷ついたりしている。株価の乱高下と、国会議員の失言のニュースと、並列して、報道される。例によって、心が明るくなるような報せは、ひとつもない。しかし、生活に、今すぐ悪い影響を、及ぼしそうな事件は、起こっていない。それらは、どこか遠くの世界の出来事であり、見知らぬ他人の身に、降りかかっている。

・小さな世界で生きる
 外の刺激から逃れるように、読書にのめり込む時間が、必要だ。そのときだけ、僕は、この世界に、有機的に結びついているのだと感じることができる。論理でもなく、観念でもなく、あくまで精神的なことを通して、社会に、繋ぎとめられている。いわば、小さな世界で生きているのだ。たとえ、それが、利己的だという、峻烈な批判を浴びようとも、守らなければならない。自分だけの世界を。

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 大抵の行為には、それなりの意義や、正当性を与えられる。たとえ、どんなに非人間的な行為であっても。国のために、戦地に赴き、暴力的なシステムの中に放り込まれ、筋の通らない命令に従うことを強制され、死んでいった命を思うと、心が痛む。
 自分の思う通りに本を読み、考えることを、誰にも邪魔されない社会を、これから築いていこう。そもそも権威は、それらの類いの尊厳を保つためのものだ。どうか、権力が、腐敗しないで、正しく行使される世の中であることを、願う。

作成者: 木下 拓也

1987年、大阪生まれ。ライター志望。
兵庫の大学を卒業してから、フリーターとして働いています。
セクシュアリティーは、人生を豊かにすると信じる人間です。
書いて、伝えることを大切にしています。

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