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社会の出来事

僕の全て

 各々の考え方で、生きたらいいじゃないかと、僕は思う。地位や名誉や威厳を、保ちたい人は、そうすればいい。人間関係に煩わされたくない人は、無人島に住めばいい。働きたくない人は、自由にしたらいい。それで、社会が崩壊してしまうなら、そのときに考えよう。
 高齢化していくなかで、社会保障の財源を、どう確保するのか。もちろん、シビアな問題もある。だけど、なんだかんだで、変わらない営みが続くのは、人間のもつ理性のおかげである。税金を払おう、つらい朝に、めげずに通勤しよう、知識を身につけ、役に立つ大人になろう、それぞれが、なんらかのルールにそって生きている。それを、僕らは「秩序」と呼ぶ。

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・そんなジャーナリズムなんて
 とある芸人さんが、納税を怠ってしまったことについて、無責任であると、テレビが言う。それは、分かる。でも、名前の売れている人の不祥事をとりあげるのって、くだらない。失敗をおかしてしまったことについて、ある一定の社会的制裁を受ければ、それでいいんじゃないかと、思う。何回も、何回も、顔や名前をさらして、まるで、悪の権化みたいにするのって、極端にいって、不愉快だ。もっと、取り上げられなければならない事実が、たくさんある。それらを無視して、一人の人間を責め立てることしかできないジャーナリズムなんて、いらない。

・パラダイム
 冷戦が終結したとき、あるひとつのパラダイム(理論的枠組み)が失効する。世界における理解の視点が、バラバラになり、それぞれの個人は、自由になる。それから、世の中は、どんどん複雑になる。テロリズム、排外主義、自国ファースト、貿易戦争、すべてが、いまに繋がっているのだ。たぶん、僕らは、なにを大切にすべきなのかを見失っている。分かりやすい数字や、株価に踊らされる光景は、ほんとうに愚かだ。

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 僕と社会をつなぐ物語が、シンプルで、かつ強固なものであるとき、それは、心の平穏を連れて来る。でも、人生は、そんなに簡単じゃない。信じることを、やめてしまった瞬間に、ぼやけていく、他人との関係性。自分を自分たらしめる、理由や、必然性が欠如しているのだ。だから、とりあえず、歴史をたどってみる。たぶん、宇宙の始まりから考えたら、僕の生きてきた30年は、1秒にもみたない。だから、どんなにやりきれないことも、それだけのことだと、うけ流していける。勇敢にもなれる。ただ、もし、一人で泣いている人が、いれば、そこに寄り添いたい。それが、今の僕の全てだ。

作成者: 木下 拓也

1987年、大阪生まれ。ライター志望。
兵庫の大学を卒業してから、フリーターとして働いています。
セクシュアリティーは、人生を豊かにすると信じる人間です。
書いて、伝えることを大切にしています。

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