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詩的表現

エクレクティシズム

もはや

僕らを

区別するのは

「男」という言葉ではないし

まして

「女」であることではない。

訳が分からないと

あなたは思うだろう。

でも

はたして

今まで

自分とは何者かを

はっきりと

定義できたことが

あるだろうか。

ただ男というストーリーを

あるいは

女という物語を

歩んできたにすぎない。

そこには

もちろん

男尊女卑が

含まれている。

無意識のなかに

たしかに存在する

刷り込まれた

世界観。

ただ

ひとりの人間であることが

証明できればいい。

それさえも

危うい世界では

人権なんて

言葉が

かすんで見える。

国や時代を越えて

エクレクティシズムな思考を

もてたらいいのに。

ほんとうに

真っ正面から

議論すべきことを

後回しにする。

なにか起こらないと

問題にしない。

誠実に

生きている人間を

追いつめる。

他人への親切を

あざ笑う。

歪んでいく世界を

横目に

淡々と

日々が過ぎていく。

自分という存在を

消し去るように

外には

無限に

空間が

広がっている。

最果てまで

いってしまいそうな

あなたを

呼び止める

力は

僕には

ない。

だから

せめて

今日だけは

抱きしめあおう。

肌寒い

冬の季節が

そう言っている。

作成者: 木下 拓也

1987年、大阪生まれ。ライター志望。
兵庫の大学を卒業してから、フリーターとして働いています。
セクシュアリティーは、人生を豊かにすると信じる人間です。
書いて、伝えることを大切にしています。

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