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詩的表現

オンパレード

夢にでてくるあなたは、

いつも笑っている。

さも、これまでのケンカが

なかったかのように。

どうして、言葉は

躊躇なく

相手を、傷つけてしまうんだろう。

意味もなく

こぼれ落ちる、涙が

とても無様だった。

自分を理解して欲しいという

愚かな願望が

先走りしすぎて、

いつも空回りする。

かすり傷は、

しっかりと肌に残る。

ちっとも痛くもないのに。

ふとした瞬間に

思い出たちが

一斉にかけめぐる。

記憶のオンパレードは

僕が、今まで

しっかりと

深く、真摯に

生きてきたことを

教えてくれる。

それでも、

ここで歩みを止めることは

許されない。

命というものは、

ただ老いていくことにこそ

価値がある。

一方通行の人生に

祝杯をあげよう。

泣く場所を準備している

姑息な自分は、

いったいどこへ向かうんだろう。

悲しみのうえに成立している

「いま」だけが

全部を覆い尽くす。

作成者: 木下 拓也

1987年、大阪生まれ。ライター志望。
兵庫の大学を卒業してから、フリーターとして働いています。
セクシュアリティーは、人生を豊かにすると信じる人間です。
書いて、伝えることを大切にしています。

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