カテゴリー
詩的表現

ヘゲモニー

近代という物語が、

バッドエンドに

向かうのなら

今を生きる者にとって

それほど、奇妙な探索はない。

幾重に重なる

複雑な、秩序構造。

なにかに依存していなければ

正常を保っていられない

僕たち。

ヘゲモニーを争ってきたこれまでから

作り上げられた

無意味なシステム。

そんなものを、

手放すことさえ

億劫になる。

いくらでも

修正はきくはずなのに、

現状維持を好む彼らは

たぶん、視界がぼやけているのだ。

美しい薔薇を目の前にして、

有害な物質は

排除しなければならないと

言わんばかりに

新しい価値観を

ぶっ壊す。

ただ、この社会で

同じように

生きたいだけなのに。

傾きかけた世界は、

今日も、

崩れかけた誰かを

支えるように

息をしている。

作成者: 木下 拓也

1987年、大阪生まれ。ライター志望。
兵庫の大学を卒業してから、フリーターとして働いています。
セクシュアリティーは、人生を豊かにすると信じる人間です。
書いて、伝えることを大切にしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です