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日常・コラム・エッセイ

いちごの色

 赤いいちごが、ショウウィンドウに、たくさん並べられている。街の行き交う人々は、その果実には、目もくれず、目的地へと、足早に歩行をつづけている。その中で、ガラスケースのなかの宝石のように輝く生鮮物を、穴があくくらい、熱心に見つめる僕は、都会の片隅で、ただただ浮いているように思えた。

 なぜ、彼らは、こうして、色鮮やかに、発光しなければならないのかを考え込むことをやめ、あてもなく、洗練されたビル街を、彷徨うよう途中で、目的の買い物を、すっかり忘れていたことに気づく。でも、それを買い忘れたところで、たぶん、なにも支障はない。きっと、それは、今日起こる出来事のなかで、たいして、重要なことでなないのだろう。真っ赤ないちごを、眺めることと、おなじくらいに。

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ありのままで

 去年、スペインに、一人で、旅行したときのことを、たまに、思い出す。食べることについて、あれこれ考えるのが、面倒だったので、目についたバルに入り、コーラと、スモークサーモンの乗ったピザを、注文した。見回した限りでは、一人でコーラを飲みながら、黙々と、ピザを食べているのは、僕くらいだった。人々は、大きな声で、賑やかに、語り合っていたが、聞こえてくる言葉は、すべて、スペイン語だった。そのときになって、ようやく、自分が、日本を遠く離れ、外国にいるのだという事実に、思い当たった。そういう状況を、とくに、気にもしなかった。しかし、その時、僕は、ただ一人であるというだけではない。二重の意味で、一人なのだ。僕は、異邦人であり、まわりの人々は、理解のできない言葉で語り合っている。

 それは、日本で、いつも感じているのとは、また、違った種類の、孤立感だった。二重の意味で、一人であることは、あるいは、孤立の二重否定に、つながるのかもしれない。異邦人である僕が、孤立していることは、完全に理にかなっている。そこには、何の不思議もない。自分は、まさに、正しい場所にいることになる。

 どんな言語で、説明するのも、むずかしすぎるというものごとが、私達の人生には、ある。他人に、説明するだけではない。自分に説明するのだって、それは、やはりむずかしすぎる。無理に、説明しようとすると、どこかで、嘘が生まれる。いずれにせよ、ときが経てば、いろんなことが、今より明らかになるはずだ。それを、待てばいい。自分は、自分のままで、生きていけばいいのだ。

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悲しみの、先

 仕事をしていく上で、どんな時に、やりがいを、感じるのか、考えたことがありました。新しいことに向き合う時は、知らないことを分かろうとして、今まで知らなかった自分に、なっていると、感じます。継続して、反復して、実行する。僕が、手にしたいものは、成長なのかもしれない。

 生きているうちに、何度か、大人になる瞬間が、あると思います。タバコを吸う。セックスを、経験する。親しい人の、死に、遭遇する。もちろん、悲しいこともある。だけど、今まで、知らなかったことをしていく、新しいページを、開くような感覚みたいだ。その瞬間が、多いほど、充実しているような気がします。どんなふうになることが、大人になることなのか、よく分からない。それでも、生きることから、絶望を、払拭していきたいです。

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レンズを、構える

 文章で、自分の考えを、伝えている人に、憧れています。大学を卒業して、フリーターとして、働いている人は、多くいると思います。このブログでは、そういった人が、どういうように考えて、日々、生活をしているのかを、伝えることができればと思っています。

 伝えることを、大切にしたいです。なにかを、伝えようと、意気込むことは、ありふれた、風景を、レンズ越しに、みるような感覚です。そう、構えることによって、被写体の、輪郭が、自然に、浮かびあがってきます。何を、伝えようか、よく考えたすえに、行き着く場所なんて、たかが、知れている。だけど、相手のことを、少し、理解できる瞬間が、好きです。(それは、僕のひとりよがりかも、しれないけど。)このブログを、どんな人が、見ているのか、想像もできないですが、続けていきたいと思います。

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人は、思うとおりに生きるべきだ

 一人での海外旅行は、旅行を楽しむのは、もちろんだけれど、今まで、していないことへの、挑戦の部分が、大きかったです。行く前日は、不安が大きくなり、なぜ旅行の代金を払って、こんな思いを、しなくちゃいけないのかと、思うこともありました。それでも、以前からしてみたいと思っていた、海外への渡航を、現実にしたかったのです。

 人生が、思うとおりにならないものだとしても、人は、思うとおりに生きるべきだと思っています。スペインから帰国して、1ヶ月ほど経ちました。海外で感じた感情が薄れていき、過去のものになろうとしているのを、感じるのは、寂しいです。でも、これからも、未知の体験をするチャンスは、あります。成長できる機会を、大切にしたいと思います。

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異郷の地、スペイン

 スペインに、旅行にいってきました。行ったこともない異郷の地で、一人で無事に帰ってくることができるのか、不安がありましたが、無事に帰国することができました。行く前は、これから、どんなことがあるのかという希望と、英語も話せないやや無謀な挑戦への、不安が入り交じっている状態でした。現地に着き、雑誌の地図を頼りに、バルセロナの市内を観光しました。とても刺激的で、思い出すと、まだ少しどきどきします。思い切って、海外に一人で行く決断をして良かったです。

 旅の目的は、アントニ・ガウディが建築したとされる、世界遺産のサグラダ・ファミリアを、観光することでした。ガウディが、生涯を捧げて建築した教会を、一度、見てみたいと思っていました。海外旅行の体験をして、自分が何か変わったかは、まだ、分かりません。スペインでの出来事を、理解しようとして、考えている最中だと思います。海外での体験を、これからに活かすことができると良いです。