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思考

無垢な僕に、さようなら

 最近、よく夢を見る。妙に、現実的なものから、少し、官能的なシーンの含まれたものまでだ。でも、それは、ただの夢ではなかった。たまたま、夢というかたちをとっている、何かなのだ。
 僕たちが、こうして目にしている光景というのは、世界のほんの一部にすぎない。習慣的に、これが、世界だと思っているわけだけど、本当は、そうじゃない。本当の世界は、もっと暗くて、深いところにある。それを、忘れてしまっているだけなのだ。

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・海面という皮膚
 地球の表面の、三分の二は海だし、肉眼で、見ることのできるのは、海面という、ただの皮膚にすぎない。その皮膚の下に、本当に、どんなものがあるのか、ほとんど、何も知らない。まだ、世界は、未知なのだ。
 一方で、現実には、毎日、様々なことが起きる。そのほとんどを、たまたま、メディアにのって伝わる情報として、受け取る。知った出来事について、ベッドに、寝転がり、天井を、見上げたまま、思案する。そこで、僕は、思うのだ。その情報を知る前と、知った後では、少なからず、変化があるのだと。ある意味では、別の人間に、変わってしまっていた。

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 ここにいる僕は、<新しい僕>であって、もう二度と、もとの場所に、戻ることはないのだ。そこにあるものは、自分がもう、無垢ではないという認識だった。それは、モラリスティックな意味での、罪悪感というのではない。大人になるとか、ならないとかを越えて、冷静に、論理的に、向かい合わなくてはならない。ある種の、物理的な事実が、この先に、あふれていることに、間違いはない。

作成者: 木下 拓也

1987年、大阪生まれ。ライター志望。
兵庫の大学を卒業してから、フリーターとして働いています。
セクシュアリティーは、人生を豊かにすると信じる人間です。
書いて、伝えることを大切にしています。

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