声にならない
想いがある。
それは、誰かに届けばいい。
けれど、現実は、伝わらない。
人知れず、頬をつたう涙が、
今を生きる空虚を
物語っているみたいだ。
あなたが
知らぬうちに手に入れている
権力や、権威が
いつも、怖かった。
そんなことは、つゆしらず
平然と
この社会の階級を
のぼっていく。
もう、たくさんだ。
勝ち目のないレースに
参加し続けなければならない過酷さを
思い知ればいい。
僕は、サクリファイスなのかもしれない。
もう、すべてに意味を
見出そうとするのは
やめよう。
自己肯定を
無惨に奪っていく
あなたが憎い。
底知れぬ不安は
今日も
夜の闇に消えていく。
この世界が
いつまでも変わらないのは
抑圧された人間なんて
存在しないと思われてるからだよ。
その方が
都合がいいのね。
ただ、ただ
語られぬ
文字にならない
意識の総体が
つもっていく。
今夜は
それを燃やす祭典だ。
だから、ひとときの間、
猶予を贈答する。
眠れない
きみに向けて。