<基本情報>
アメリカ合衆国の指導者、ジェームズ・マーシャル(ハリソン・フォード)を乗せた大統領専用機「エアフォース・ワン」が、テロリストによって、ハイジャックされてしまう。
果敢なアクションを交えて展開される、痛快な作品。
監督は、「アウトブレイク」のウォルフガング・ペーターゼンが、務める。
終始、緊張感が漂う。まだ、子どものときだったんだと思うけど、ハラハラ、ドキドキした感覚が、記憶の片隅に、残っている。権力を有する人物は、どのような資質を、持ち合わせるべきなのか。たとえ、どんなに偉い階級の人間にも、家族がいる。個人的な感情か、公的な立場における責任の、どちらを、優先するべきか。たぶん、この映画を観る人の、ほとんどが、一般社会に身を置いていると思う。通常では、考えられない決断を、余儀なく迫られるシーンの連続は、僕らに、張りつめた心地を、与える。
この当時の世界情勢と、今とでは、大きく異なっている。中国の目覚ましい経済成長、グローバル化する社会、深刻化する環境汚染、躍進するインターネット、国際社会におけるアメリカの立ち位置、さまざまな変化が、おとずれている。だからと言って、古い作品に、価値がないというわけではない。世相を反映したものが、面白いかといえば、そうではない。小難しい社会問題について考えるために、エンターテイメントが、存在している世界は、嫌だ。ただ、今を生きているリアリティー、他者を尊重する繊細な感覚、固定観念にとらわれない柔軟な発想、それを、刺激するものを、僕は、求めている。
テロリズムが、台頭している。それは、もちろん(暴力を肯定しないという意味で)拒むべきだ。この作品は、もちろん、アメリカの目線に立ったものである。たえず、テロに屈しない米国側に、正義があって、それを脅かす思想には、悪が宿ることになる。それは、それで、自由や民主主義を、大切にする者として、格好いいと思うところもある。だけど、みんながみんな、その枠組みに、はまることはない。この世界は、さまざまな視点が溢れ、かつ複雑にできている。それを、ふまえたとき、この作品の、意味が、増幅していく。