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日常・コラム・エッセイ

日常の輪

 外は雨だ。出かける気になれない。アマゾンプライムを開いて、チェックしていた映画を観る。なんてことない休日は、あっという間に過ぎさっていく。何かを取り入れて自分のパーツにしていく。少しずつ引き出しを増やしていく。今はそんなことをしていたい気分。世界は雑音まみれだ。その中から僕にとって意味を成すことを探していく。もちろん見つかることは稀なんだけど。

 最近、新聞記事を書く手伝いをしている。仕事と呼ぶほどではない拙いものだ。それでも新しい体験が刺激になる。何を伝えたいのか。僕というフィルターを通して、社会に放たれる言葉たちは、どんな色をしているんだろう。その人の文章の匂い、手触り、さわり心地。味わい尽くしきれない力は、永遠に近づくような魔法じゃない。それでも水をすくうような優しさを持っている。

 世の中がどんな仕組みで出来上がっているか。そんなたいそれたことではない。刻一刻と変化していく情勢で、いかに生き残るのか。みな必死で戦う。たぶん競争は終わらない。生きていれば知っていく構造を変えるとは、具体的に何を指すんだろう。せめて僕たちは、厳しい世界で、息継ぎができる休憩所を積極的に作るべきなんじゃないか。ゆるく依存できて、ゆるく連帯できるスペースを。

 人との繋がりに利害を持ち込まない。簡単なことだ。ただ気持ちがいいから、あなたといる。そんなだから、ちっとも世界は拡がっていかない。でもそれでいい。開かない人間関係のなかで生きていく。勝手にできていく日常の輪は、徐々に僕の傷を癒す居場所になっていく。守るべき小さな空間の“ここ”から、発信していく。人間を信じてもいいかと思えるまで。

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作成者: 木下 拓也

1987年、大阪生まれ。ライター志望。
兵庫の大学を卒業してから、フリーターとして働いています。
セクシュアリティーは、人生を豊かにすると信じる人間です。
書いて、伝えることを大切にしています。

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